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クリソベリル

 宝石の内「クリソベリル」について、組成・特徴・歴史・産地などを写真や動画を交えて解説します。

クリソベリルの組成

クリソベリルの外観写真
  • 分類:酸化鉱物
  • 組成:BeAl2O4
  • 結晶系:斜方晶系
  • 色:黄緑色
  • 光沢:ガラス光沢
  • モース硬度:8.5
  • 比重:3.8
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クリソベリルの特徴

 クリソベリル(和名は金緑石-きんりょくせき)は酸化鉱物の一種です。
 色は黄、緑、褐色など様々ですが、黄色~黄緑色が最も多く存在します。クリソベリル(金緑石)の中で研磨により明るい光の筋が見えるものを「クリソベリル・キャッツアイ」(和名は猫目石-ねこめいし)と呼び、光源により色の変わるものはアレキサンドライトと呼ばれます。これら二つの石は、おのおのが持つ特殊効果によって呼称が変わりますが、元々は同じ鉱物という訳です。

キャッツアイとクリソベリル

 宝石表面にまるで猫の目のような一条の光が現れる現象をキャッツアイ効果と言います。半透明で黄色味がかっており、上記「キャッツアイ効果」を示すクリソベリルを特に「サイモフェン」(cymophane)、もしくはただ単に「キャッツアイ」(cat's eye)と呼称します。サイモフェンはギリシア語で「波」と「姿」を表す言葉に由来しており、これはキャッツアイ効果によって時折現れる光を、寄せては返す波になぞらえたものだと推察されます。
 キャッツアイ効果を生み出しているのは、宝石内部にある顕微鏡レベルのチューブのような空洞、もしくは針先のようなルチルの結晶に光が当たることだと考えられます。
 また、キャッツアイの黄色を生み出しているのは、内部に含まれる三価の鉄イオンですが、キャッツアイの中で最も質の高いものは、しばしば「Milk and honey」(ミルクと蜂蜜)と表現されます。これは黄色の下地を蜂蜜に、そしてその中央を一刀両断するように走る光の筋をミルクに見立てたものです。一般的には蜂蜜色が最高級とされますが、近年ではレモンイエローも人気となっています。
 クリソベリル(金緑石)以外にもキャッツアイ効果を示す鉱物がたくさんります。たとえば、トルマリンスキャポライトコランダムスピネルなどです。しかし、単に「キャッツアイ」という場合は「クリソベリル・キャッツアイ」を指すというのが暗黙の了解です。

キャッツアイの歴史

 キャッツアイは19世紀後半に人気が高まりましたが、これはコノート公爵(Duke of Connaught/イギリス王室の一員)が婚約指輪としてキャッツアイを選んだことに起因しています。それまでは鉱物コレクターの標本の中にひっそりとたたずんでいる程度だったキャッツアイの人気が急に高まり、スリランカではキャッツアイ・ラッシュとも言えるような騒ぎになり、価格も天井知らずでした。
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クリソベリルの動画

 以下でご紹介するのはクリソベリルがキャッツアイ効果を示す瞬間の映像です。
元動画は⇒こちら
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