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アレクサンドライト

 宝石の内「アレクサンドライト」について、組成・特徴・歴史・産地などを写真や動画を交えて解説します。

アレクサンドライトの組成

アレクサンドライトの外観写真
  • 分類:酸化鉱物
  • 組成:BeAl2O4
  • 結晶系:斜方晶系
  • 色:黄緑色-薄紫色
  • 光沢:ガラス光沢
  • モース硬度:8.5
  • 比重:3.8
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アレクサンドライトの特徴

 アレクサンドライト(orアレキサンドライト/alexandrite)は、1830年、ロシア帝国ウラル山脈東側のトコワヤのエメラルド鉱山で発見された鉱物で、クリソベリル(金緑石)の一種です。
 微量に鉄、クロムなどの不純物を含み、そのせいで太陽光や蛍光灯の明かりの下では暗緑色を示し、白熱灯や蝋燭の明かりの下だと鮮やかな赤色を示します。これは特にアレクサンドライト効果と呼ばれますが、最も理想的な色の変わり方は、薄いエメラルドグリーンから薄い赤紫色と言われており、その希少性から世界で最も高価な宝石の一つに数えられています。
 アレクサンドライトの中にはキャッツアイ効果(シャトヤンシー)をもつものもあり、これは特に「アレクサンドライト・キャッツアイ」と呼ばれます。石言葉は「秘めた思い」で、6月の誕生石のひとつです。アレクサンドライトに関しては人工のものも作られており、紫外線を吸収する性質があるため、宇宙船の窓の材料に使用されているそうです。
 5カラットを超える大きなアレクサンドライトは、そのほとんどがロシアのウラル山脈産で、現在における最大の産出国はブラジル、その他の産地としてはインド、マダガスカル、スリランカなどが挙げられます。通常3カラットを超えるようなアレクサンドライトが発見されることは極めてまれですが、スリランカではなんと60カラット(12g)近いものが発掘されたこともあるそうです。
 アレクサンドライトの名前の由来は明確ではありませんが、フィンランドの鉱物学者・ニルス・グスタフ・ノルデンショルド (1792~1866)がこの鉱物を発見した日が、ちょうどロシア皇太子であるアレキサンダーの16歳の誕生日(1834年4月17日)だったため、未来の皇帝アレキサンダー二世を記念する意味で「アレクサンドライト」と名づけられたというのが通説になっています(ロシア帝国皇帝ニコライ1世に献上された日である4月29日は皇太子アレクサンドル2世の12歳の誕生日だったため、という説もあり)。
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アレクサンドライトの動画

 以下でご紹介するのはアレクサンドライト効果の瞬間を捕らえた映像です。人工照明が当てられた瞬間、緑から赤色に変化する場面が見て取れます。サンプルは、1987年よりロシアに代わってアレクサンドライトの主要産地となっている、ブラジル・ミナスジェライス州・ヘマチタ鉱山にて採掘されました。
元動画は⇒こちら
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