サーペンティンの組成

- 分類:ケイ酸塩鉱物
- 組成:(Mg, Fe)3Si2O5(OH)4
- 結晶系:多様
- 色:白、灰、黒、黄、緑、茶
- 光沢:ガラス-絹糸光沢
- モース硬度:2.5-4
- 比重:2.2-2.9
サーペンティンの特徴
サーペンティン(和名は蛇紋石-じゃもんせき)は (Mg, Fe)3Si2O5(OH)4という共通の組成式をもつ岩石のグループ名です。
サーペンティンが主成分の岩石を特にサーペンティナイト(serpentinite/蛇紋岩-じゃもんがん)と呼び、成分として微量のクロム、マンガン、コバルト、ニッケル等を含むこともあります。
鉱物学や宝石学の分野で「サーペンティン」と言う場合は、サーペンティングループに所属している20程度の亜種の内のどれかを指す形になりますが、岩石同士が混在していることも多いことから、亜種同士を区分するには大変な困難を要します。
サーペンティン由来の土壌はニッケル、クロム、コバルトの含有率が高く、また逆にカリウムとリンの含有率が低いため、多くの植物にとっては有毒です。サーペンティンを含む土壌には遅成長型の低木地が広がり、木々もまばらなため、こうした土壌を特に「サーペンティン荒野」(serpentine barren)と呼ぶこともあります。
サーペンティンの産地は、ニューカレドニア、カナダのケベック州、アメリカ、アフガニスタン、イギリス、ギリシア、中国、フランス、韓国、オーストリア、インド、ミャンマー、ニュージーランド、ノルウェー、イタリアなど世界中に存在します。
サーペンティンが主成分の岩石を特にサーペンティナイト(serpentinite/蛇紋岩-じゃもんがん)と呼び、成分として微量のクロム、マンガン、コバルト、ニッケル等を含むこともあります。
鉱物学や宝石学の分野で「サーペンティン」と言う場合は、サーペンティングループに所属している20程度の亜種の内のどれかを指す形になりますが、岩石同士が混在していることも多いことから、亜種同士を区分するには大変な困難を要します。
サーペンティン由来の土壌はニッケル、クロム、コバルトの含有率が高く、また逆にカリウムとリンの含有率が低いため、多くの植物にとっては有毒です。サーペンティンを含む土壌には遅成長型の低木地が広がり、木々もまばらなため、こうした土壌を特に「サーペンティン荒野」(serpentine barren)と呼ぶこともあります。
サーペンティンの産地は、ニューカレドニア、カナダのケベック州、アメリカ、アフガニスタン、イギリス、ギリシア、中国、フランス、韓国、オーストリア、インド、ミャンマー、ニュージーランド、ノルウェー、イタリアなど世界中に存在します。
サーペンティンの同質異像
サーペンティングループには、3つの重要な同質異像(どうしついぞう)が存在しています。「同質異像」とは、同一の化学組成をもつ複数の固体が、異なった原子配列をもっている状態にあることです。
1つは「アンティゴライト」(antigorite)、1つは「クリソタイル」(chrysotile)、そしてもう1つが「リザーダイト」(lizardite)です。
1つは「アンティゴライト」(antigorite)、1つは「クリソタイル」(chrysotile)、そしてもう1つが「リザーダイト」(lizardite)です。
サーペンティンの同質異像3種
- アンチゴライト(antigorite)
アンチゴライト(和名は葉蛇紋石-ようじゃもんせき)は、黄色がかった灰色や茶、黒などで、モース硬度は3.5~4、単斜晶系で樹脂光沢を持ちます。名前は、イタリアのアンチゴリオ渓谷で産出することにちなんで付けられました。
高い硬度と、薄緑~深緑の色合い、そして雲のような白いまだら模様と葉脈のような縞模様をもったものは、特に「ボウエナイト」(Bowenite)と呼ばれ、彫刻や宝飾品として頻繁に登場します。ボウエナイトは、産出地が州内にあることからロードアイランド(Rhode Island=米国New England地方の米国最小の州)の州石(state mineral)に指定されています。
淡いグリーンの中にクロムやマグネシウムからなる黒い結晶成分を含むアンチゴライトは、特に「ウィリアムサイト」(williamsite)と呼ばれ、カボションやビーズに加工されます。ヒスイに良く似たこの鉱物は、アメリカのメリーランド州やペンシルヴァニア州で採取されます。 - クリソタイル(chrysotile)
クリソタイル(クリソタイル石)は、またの名をホワイトアスベスト(white asbestos)とも言います。健康被害を及ぼすことで名高いアスベストの主成分であり、繊維質の外観を有していることから、他の亜種との鑑別は容易です。
単斜晶系のクリノクリソタイル(clinochrysotile)と斜方晶系のオーソクリソタイル(orthochrysotile)に分類されます。 - リザーダイト(lizardite)
リザーダイト(リザード石)は、半透明の白、黄、緑などの色を持ち、モース硬度は2.5、比重はおよそ2.57です。
イギリス・コーンウォールのリザード半島で産出されることから名づけられ、リザーダイトを素材とした装飾品は地元の名産品となっています。
サーペンティンの名
サーペンティンの使途
サーペンティンは工業利用されることが多い鉱物です。
一例としては、鉄道バラスト(線路に敷き詰めてある砂利)、建設資材、絶縁材料などが挙げられます。しかし一部のサーペンティン(クリソタイル)にはアスベストが含まれていることから、道路などに使用された場合、長期使用によって健康に被害を及ぼす危険性が指摘されています。
ニュージーランド産のサーペンティンは特にニッケルの含有量が多いことから、ニッケルの供給源として重要な位置を占めています。
一例としては、鉄道バラスト(線路に敷き詰めてある砂利)、建設資材、絶縁材料などが挙げられます。しかし一部のサーペンティン(クリソタイル)にはアスベストが含まれていることから、道路などに使用された場合、長期使用によって健康に被害を及ぼす危険性が指摘されています。
ニュージーランド産のサーペンティンは特にニッケルの含有量が多いことから、ニッケルの供給源として重要な位置を占めています。