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フローライト

 宝石の内「フローライト」について、組成・特徴・歴史・産地などを写真や動画を交えて解説します。

フローライトの組成

フローライトの外観写真
  • 分類:ハロゲン化鉱物
  • 組成:CaF2
  • 結晶系:等軸晶系
  • 色:無色、灰褐色
  • 光沢:ガラス光沢
  • モース硬度:4
  • 比重:3.2
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フローライトの特徴

 フローライト(和名は蛍石-ほたるいし)は、フッ化カルシウムを主成分とするハロゲン化鉱物の一種で、フロースパー(fluorspar)とも呼ばれます。

フローライトの色

 フローライトは基本的には無色ですが、内部の不純物により黄、緑、青、紫、灰色、褐色などの色彩を示し、「世界で最もカラフルな鉱物」と呼称されます。また加熱すると発光し、不純物として希土類元素(レア・アース)を含むものは、紫外線を照射すると蛍光を発することで有名です。

フローライトの語源

 フローライトの名は、ラテン語で「水の流れ」を意味する「fluo」に由来しています。この鉱物が鉱滓(こうさい=金属の製錬に際して、溶融した金属から分離して浮かぶかす)の流動性を高めるために用いられていたことが理由です。また、「fluorite」に語源を持つ言葉としては、蛍光性を示す「fluerescence」や、「フッ素」を示す「fluorine」などがあります。

フローライトの使途

 フローライトは可視光線下でも紫外線下でも鮮やかな色合いを示すことから、装飾品や宝飾品に加工されることがしばしばあります。
 工業的には、高純度の蛍石結晶が、紫外線から可視光線、赤外線まで幅広い波長の光(130nm~8μm)を透過することから、光学材料として幅広く利用されています。
 光の分散度が低く、高倍率でも鮮明な画像を提供できることから、望遠鏡のレンズなどにも用いられ、また、金属から不純物を取り除く際の融剤(融点を下げる媒介物)としても有名です。

フローライトの産地

 フローライトの主な産地は、中国、ドイツ、オーストリア、スイス、イギリス、ノルウェー、メキシコ、カナダなどです。その他、ケニアやアメリカなどでも巨大な堆積層が発見されています。イリノイ州では、1965年からフローライトを州石に指定していますが、これはイリノイ州が当時最大のフローライト産地だったからです。

Blue John

 フローライトの中で有名なのは、イギリス・ダービーシャー州キャッスルトンで産出された「Blue John」でしょう。ここで採れる青紫に黄色の縞模様が美しいフローライトは、19世紀ごろに宝飾品として加工するため盛んに採掘されました。また、鉱物が発見された洞窟はその記念として「Blue John Cavern」(ブルージョン洞窟)という名を冠しています。乱採掘のためか、現在では年間数百キロ程度しか取れなくなりましたが、近年、中国でブルージョンと同じ色合いを持つフローライトが発見されています。ちなみに「Blue John」という名は、フランス語で「青と黄色」を意味する「Blue et Jaune」(ブルーエジョン)を文字って名づけられたようです。
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フローライトの動画

 以下でご紹介するのはフローライトの原石動画、及びブルージョン洞窟の内部映像です。
元動画は⇒こちら
元動画は⇒こちら
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