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宝石の硬度一覧表

 宝石の硬度を示す際の代表的な指標であるモース硬度とビッカース硬度について、一覧表付きで解説します。

モース硬度

 モース硬度とは、鉱物の硬さを表す尺度の1つで、あらかじめ設定した基準物質に対して1から10までの整数値を与えたものです。
 モース硬度で用いられる基準値は絶対値ではなく相対値であるため、「硬度1」の2倍硬い物質が「硬度2」と言う訳ではなく、物質Bで物質Aを引っかいて傷が付いたとき、AよりBの方が硬いという意味で「物質A=硬度1」、「物質B=硬度2」と表現します。
 また、モース硬度が示すのは叩いたときの堅牢さではなく、ひっかき傷に対する抵抗力ですので、最高硬度10をもつダイヤモンドでも、ハンマーなどで強く叩くと割れてしまうことがあります。なお、モース硬度の「モース」は、この尺度を考案したドイツの鉱物学者フリードリッヒ・モースに由来しています。
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ビッカース硬度

 ビッカース硬度(ビッカース硬さとも)とは、主に工業材料の硬さを表す尺度の一つです。モース硬度が引っかき傷に対する固さを示すのに対し、ビッカース硬度は押込み圧力に対する堅牢さを示します。
 ビッカース硬度の試験法は1925年に開発されたもので、まず正四角錐のピラミッド型をしたダイヤモンド製の圧子を、測定対象の表面に押し込みます。次に、荷重を除いたあとに残ったへこみの対角線の長さd(mm)から表面積S(mm2)を算出します。算出した表面積S(mm2)で試験荷重F(N)を割った値が「ビッカース硬度」と呼ばれるもので、単位はHVと表記されます。大きな力で押し付けたのに小さな傷しか付かない、つまり、試験荷重が大きいのに傷の表面積が小さいという場合、ビッカース硬度の値(試験荷重÷傷の表面積)は大きくなります。すなわち、「硬い物質ほどビッカース硬度(HV)が大きくなる」ということです。 ビッカース硬さ試験法
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宝石の硬度一覧表

 以下はモース硬度とビッカース硬度(HV)の一覧表です。HVは数値に幅があるため、概数で示しています。
尺度モース硬度目安HV
1滑石最も柔らかい鉱物で、つるつるした手触り50
2石膏指の爪で何とか傷をつけることができる60
3方解石硬貨でなんとか傷をつけることができる140
4蛍石ナイフの刃で簡単に傷をつけることができる200
5燐灰石ナイフでなんとか傷をつけることができる650
6正長石ナイフで傷をつけることができず、刃が傷む700
7石英こすりあわせるとガラスや鋼鉄、銅などに傷がつく1100
8黄玉こすりあわせると石英に傷をつけることができる1650
9鋼玉石英にもトパーズにも傷をつけることができる2100
10金剛石地球上の鉱物の中で最も硬い7000
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