生物起源の宝石一覧
宝石の中には、動物や植物などの生物が作り出した物質が主成分となっているものもあります。生物が作り出した鉱物という意味で「生体鉱物」(せいたいこうぶつ-biomineral)と呼ばれることもありますが、 人体で最も硬い部分である歯のエネメル質は リン酸カルシウムの一種であるハイドロキシアパタイトからできており、これも生体鉱物の一種と言えます。
以下は、主に装飾品として利用される生体鉱物の一覧です。
以下は、主に装飾品として利用される生体鉱物の一覧です。
主な生体鉱物一覧
- アンバー(amber) アンバー(琥珀-こはく)とは、木の樹脂が地中に埋没し、長い年月により固化したものです。半分だけ化石化した琥珀は、特に「コーパル」(copal)といいます。
- アンモライト(ammolite) アンモライト (ammolite) は、アメリカ合衆国とカナダのロッキー山脈の東斜面にのみ産出するオパール状の遊色を持った石です。1981年に世界宝石連盟はアンモライトを公式に宝石として認定し、2004年にはカナダ・アルバータ州の州の宝石に定められました。
- コーラル(coral) コーラル(和名は珊瑚-サンゴ)は、刺胞動物門花虫綱(しほうどうぶつもんかちゅうもう)に属する「サンゴ虫」のうち、固い骨格を発達させる種、及び、宝石に加工される骨格部分を指します。
- ジェット(jet) ジェット(和名は黒玉-こくぎょく)とは、水中で長い年月を経て化石化した樹木を指します。アンバー(琥珀-こはく)が樹脂であるのに対し、ジェットは樹木の幹そのものの化石です。
- シェル(shell) シェル(貝殻-かいがら)は、貝が外套膜(がいとうまく)の外面に形成する生体鉱物の一種です。殻は炭酸カルシウムの結晶とコンキオリンと総称されるタンパク質を主とする成分から構成されます。
- パール(pearl) パール(和名は真珠-しんじゅ)は、貝から採れる宝石の一種であり、生体がつくる鉱物であることから「生体鉱物」(バイオミネラル)とも呼ばれます。その歴史は古く、日本においても日本書紀や古事記、万葉集にすでにその記述が見られます。また、中国の『魏志倭人伝』にも邪馬台国の台与が曹魏に白珠(真珠)5000を送ったことが記されています。