水晶・クリスタルの様々な種類
クリスタル(和名は玻璃-はり)は、二酸化ケイ素 (SiO2) が結晶してでできた鉱物である石英(せきえい/quartz/水晶)の中でも、特に無色透明なもののことです。当ページ内では、「クリスタル」と「水晶」を同義で扱います。
水晶(クリスタル)は、わが国においては古くから良質なものを多く産出していたため、国石に指定されています。
水晶(クリスタル)には、色やその他の条件により非常にたくさんの呼び名があります。以下はその一部です。
水晶(クリスタル)は、わが国においては古くから良質なものを多く産出していたため、国石に指定されています。
水晶(クリスタル)には、色やその他の条件により非常にたくさんの呼び名があります。以下はその一部です。
色付き水晶の種類
色付き水晶とは、水晶(クリスタル)に何らかの色が付いたもののことです。
発色要因は、水晶の中に含まれる微量の元素だと考えられています。
発色要因は、水晶の中に含まれる微量の元素だと考えられています。
色付き水晶の種類
- 紫水晶
紫水晶とはアメシストの和名であり、紫色に色づいた水晶のことを指します。
発色要因は、内部のケイ素を置換した微量の鉄イオンによるものと考えられており、加熱するとレモン色や黄色に変わりやすく、また紫外線にさらすと退色してしまいます。 - 黄水晶
黄水晶とはシトリンの和名であり、黄色に色づいた水晶のことを指します。
発色要因は内部の鉄イオンによるもので、紫水晶との色の違いは色中心のエネルギー準位の差で発生すると考えられています。天然の黄水晶の産出が少ないため、紫水晶を熱処理して黄色にしたものが市場に多く出回っています。 - 紅水晶
紅水晶とはローズクォーツの和名であり、薄いピンク色に色づいた水晶のことを指します。
紅水晶のピンク色は、内部に含まれる微量のチタン、鉄、マンガンに由来すると考えられており、光によって退色しやすいという特性を持ちます。紅水晶の中には、特殊効果としてスター効果を持つものもありますが、これは内部に含まれる微細なルチル(金紅石)の針状結晶によるものです。 - 玉髄 玉髄(ぎょくずい)とは、カルセドニーの和名であり、クォーツ(石英-せきえい)とモガナイト(moganite)の非常に細かい結晶が網目状に集まり、緻密に固まった鉱物の変種のことを指します。
- 煙水晶
煙水晶とは、スモーキークォーツの和名であり、煙がかったような灰色に色づいた水晶を指します。
発色要因は、多量の放射線を受けた微量のアルミニウムイオンが、水晶内部で光を吸収するためとされています。受けた放射線の量に比例して色が濃くなるため、この特徴を利用して人工的に着色する場合もあります。 - 黒水晶
黒水晶とは、こげ茶から黒に色づいた水晶のことです。
煙水晶との区分が明確ではないため、「色の濃い煙水晶」との見方もあります。煙水晶と同じく、人工的な放射線照射によって着色が可能です。 - レモン水晶
レモン水晶とは黄色に色づいた水晶のことです。
発色は、結晶の間に入り込んだ硫黄だとされており、結晶内部から発色する黄水晶とは区別されます。 - 緑水晶
緑水晶は緑に色づいた水晶のことです。
発色要因は、内部の微細な角閃石(かくせんせき)などです。
変わり水晶の種類
変わり水晶とは、水晶の中に何らかの異物が含有されている状態のものです。主に以下のようなものがあります。
変わり水晶の種類
- タイガーズアイ タイガーズアイ(Tiger's Eye)とは、ブルーアスベスト(青石綿-クロシドライト)に石英が染み込んで硬化した混合石のことです。
- 針入り水晶 針入り水晶とは、水晶の結晶中にルチル(金紅石)の針状結晶が内包されたものを指し、細い金色の針が入り込んだように見えることからこの名が付いています。
- ススキ入り水晶 ススキ入り水晶とは水晶の結晶中にトルマリン(電気石)を始めとする柱状の鉱物が内包されたものを指します。ほのかに緑色にみえることから「ススキ」の名が付いています。
- 草入り水晶 草入り水晶とは、水晶の結晶中に緑泥石(りょくでいせき)などの草のように見える鉱物が内包されたものを指します。コケやマリモのように見えたりすることから「草入り」の名が付いています。別名は「ガーデンクォーツ」です。
- 水入り水晶 水入り水晶とは、水晶の結晶中に液体が閉じ込められたものを指し、内部の液体は、水晶が形成された当初の環境情報を保存していると考えられています。
- 山入り水晶 山入り水晶とは、結晶中の一部分にだけ色の付いた不純物を含むものを指し、不純物と結晶との境目があたかも山のように見えることからこの名が付いています。緑色のものや境目が複数あるものなど、様々なヴァリエーションが存在し、「ファントムクォーツ」(幻の水晶)とも呼ばれています。
- 松茸水晶 松茸水晶とは、結晶中の一部分にだけ色の付いた不純物を含むものを指し、不純物と結晶との境目があたかもキノコのように見えることからこの名が付いています。
- 日本式双晶 日本式双晶とは、二つの結晶がハート型を保ったままくっついたものを指します。
人工水晶の種類
水晶(クリスタル)に人工的な処理を加え、色合いなどを変化させた宝石があります。語尾に「オーラ」と付くのが特徴です。代表的なものは以下。
人工水晶
- アクアオーラ
アクアオーラ(aqua aura)は、真空内において、水晶を摂氏871℃になるまで加熱し、その後金の蒸気を水晶の表面に付着・融合させることで作り出します。
アクアオーラの色合いは透明感のある水色ですが、表面に現れる反射光は、金原子の影響で薄ピンク~黄緑色に輝きます。 - オーロラオーラ
オーロラオーラ (aurora aura) は、真空内において水晶を加熱し、その後イオン化した金属(銀・白金)の蒸気を添加することで作り出します。
色合いは透明で、表面に現れる反射光は金属原子の影響で赤~青色 を呈し、時としてオーロラのような色合いを示すこともあります。 - コスモオーラ
コスモオーラ(cosmo aura) は、真空内において水晶を加熱し、その後イオン化した金属(金、インジウム、ニオビウムなど)の蒸気を水晶の表面にを付着させることで作り出します。
色合いは透明感のある青紫のような色で、タンザナイトに似ていることから「タンザナイトオーラ」(tanzanite aura)とも呼ばれます。 - ゴールデンオーラ
ゴールデンオーラ (golden aura) は、真空内において、水晶を加熱し、その後イオン化した金の蒸気を水晶の表面に蒸着して作り出します。
同じく水晶に金を蒸着させた「アクアオーラ」よりも低温環境で作り出したものがゴールデンオーラです。 - ローズオーラ
ローズオーラ(rose aura) は、真空内において水晶を加熱し、イオン化した金属(金、銀、白金)の蒸気を添加することで作り出します。
色合いは透明感のある赤-ピンクで、表面に現れる反射光は金属原子の影響で金色を呈します。